疲れていると、何もかもがめんどくさくなる
疲れているときは、本当に何をするのもめんどくさくなる。仕事はもちろん、休日でさえ「遊ぶ」という行為にすら体力が必要で、土日になってもベッドから動けない。そんな状態が続くと、「自分は何のために働いているんだろう」と考える余裕すらなくなっていく。
思考が止まり、感情も鈍くなり、ただ目の前のタスクをこなすだけの日々。これが続くと、人は自分の人生について深く考えられなくなる。けれど、これは偶然ではない。むしろ、ある意味でとても都合のいい状態なのだ。
雇い主から見れば、何も言わず、何も考えず、馬車馬のように働いてくれる社員は「理想的」なのかもしれない。
思考停止が評価される働き方の怖さ
体力を削り、思考力を奪い、疑問を持つ余裕すら与えない働き方。その結果として生まれるのは、「与えられた仕事をこなすこと」だけに特化した人間だ。改善提案もなければ、不満も言わない。ただ淡々と働く。
確かに会社にとっては扱いやすい。しかし、その社員本人にとってはどうだろう。気づけば、仕事以外に何も残らない。趣味も、人間関係も、将来の展望も、すべてが削ぎ落とされていく。
そんな働き方が「推奨される会社」に、果たして居続ける価値はあるのだろうか。少なくとも、そこに自分の人生を丸ごと預けるのは、あまりにもリスクが高い。
「今すぐ辞める」は最適解ではない
こうした違和感を覚えたとき、多くの人は二択に陥る。「我慢して続ける」か、「勢いで辞める」か。しかし実際のところ、この二つはどちらも極端だ。
生活がかかっている以上、感情だけで会社を辞めるのは危険だ。一方で、何も考えずに耐え続ければ、心身が壊れてしまう可能性もある。
だからこそ必要なのは、「静かに依存を減らしていく」という第三の選択肢だ。
まずは自分の市場価値を知る
最初にやるべきことは、会社の外に出ることではない。「自分が会社の外でどれくらい通用するのか」を知ることだ。リクルート系のサービスや転職サイトに登録し、求人を見るだけでもいい。
今の年収、今のスキル、今の経験。それらが市場でどの程度の価値を持つのかを知るだけで、視界は驚くほど広がる。「ここしかない」という思い込みは、情報不足から生まれる幻想にすぎない。
副業は「収入」より「選択肢」を増やすためにある
副業というと、お金を稼ぐことばかりが注目されがちだ。しかし本質はそこではない。副業の最大の価値は、「会社以外でも自分は何かを生み出せる」という感覚を取り戻すことにある。
月に数千円、数万円でもいい。その収入があるだけで、精神的な余裕は大きく変わる。給料一本に依存している状態から、少しずつ距離を取る。それだけで、会社との関係性は健全になる。
1年〜2年かけて、ゆっくりと準備する
大切なのはスピードではない。1年、2年という時間をかけて、少しずつ準備を進めればいい。その間にスキルを磨き、副業を育て、人脈を作る。
そうしているうちに、「辞めてもいいし、辞めなくてもいい」という状態に近づいていく。この状態こそが、最も強い立場だ。選択肢がある人間は、無理を強いられにくい。
働き方を変えるとは、生き方を取り戻すこと
働き方を見直すというのは、単に職場を変えることではない。自分の時間、体力、思考力を、どこに使うのかを取り戻すことだ。
疲れ切って何も考えられなくなる前に、少し立ち止まってみてほしい。会社に尽くす人生も一つの選択だが、それが唯一の道ではない。
依存を減らし、選択肢を増やす。それだけで、人生は驚くほど軽くなる。
まとめ
もし今、あなたが「疲れている」「考えられない」「休日すら楽しめない」と感じているなら、それは怠けではない。働き方が、あなたから余白を奪っているサインだ。
いきなり会社を辞める必要はない。まずは市場価値を知り、副業に触れ、時間をかけて依存を減らしていけばいい。その一歩一歩が、確実に未来を変えていく。
人生は、会社のものではない。あなた自身のものだ。
参考書籍
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』
リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット
簡単な要約
『LIFE SHIFT』は、「人生100年時代」において、一つの会社・一つの仕事に人生を預けるモデルはすでに破綻していると指摘する本です。
従来の「教育 → 仕事 → 引退」という三段階の人生ではなく、学び直し・複業・キャリアの組み替えを繰り返す「マルチステージの人生」が必要だと説いています。
また、最も重要な資産は「お金」ではなく、
-
健康(体力・精神力)
-
変身資産(スキル・経験・人脈)
であると明確に示しています。
解決策との結びつき
今回のエッセイで語っている
「疲れ切って思考停止する働き方」
は、この本が警鐘を鳴らす 最も危険な状態 です。
副業に手をつけたり、市場価値を確認したり、1〜2年かけて依存を減らす行動は、まさに
「変身資産を蓄えながら、人生を再設計するプロセス」
そのもの。
いきなり辞めない、しかし今のままでもいない。
その「中間戦略」の正当性を理論的に支えてくれる一冊です。
『嫌われる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教え 』
岸見一郎・古賀史健
簡単な要約
アドラー心理学をベースにした本書は、
「人は過去や環境に支配されているのではなく、目的によって行動を選んでいる」
という考え方を提示します。
特に重要なのが、
-
他人の期待を生きない
-
課題の分離(それは誰の問題か)
-
自分の人生の責任を引き受ける
という概念です。
解決策との結びつき
「会社を辞めたら迷惑がかかる」
「評価を下げたくない」
「ここで耐えるのが大人だ」
こうした思考は、すべて 他人の課題を背負っている状態 です。
副業や市場価値の確認は、「会社に反抗する行為」ではありません。
それは、
自分の人生を自分の課題として引き取る
ための、静かで誠実な行動です。
「嫌われないために消耗する働き方」から抜け出す心理的な土台を、この本は与えてくれます。
『金持ち父さん 貧乏父さん』
ロバート・キヨサキ
簡単な要約
この本は、「労働収入だけに依存することの危うさ」を、非常にシンプルな言葉で説明しています。
ポイントは、
-
給料=安全ではない
-
資産とは「自分が働かなくてもお金を生むもの」
-
収入源は複数持つべき
という考え方です。
解決策との結びつき
今回の記事で強調している
「会社給料一本依存を減らす」
という考えは、この本の核心と完全に一致します。
副業は、いきなり資産を築くためでなくていい。
まずは
-
収入の入口を増やす
-
お金の流れを自分でコントロールする感覚を持つ
それだけで、「辞められない恐怖」は大きく和らぎます。
精神的な余裕を生むための“最初の一歩”として、副業の意味を理解させてくれる一冊です。
『エッセンシャル思考』
グレッグ・マキューン
簡単な要約
『エッセンシャル思考』は、
「より多くやる」ことではなく、「本当に重要なこと以外を捨てる」
という思考法を提案します。
忙しさ=価値ではなく、
何に時間とエネルギーを使うかを選ぶことこそが成果を生む、というメッセージが一貫しています。
解決策との結びつき
疲れ切って何も考えられない状態は、「重要でないこと」にエネルギーを奪われ続けた結果です。
副業やキャリアの見直しは、単なる作業追加ではありません。
-
今の仕事は本当に自分にとって本質的か
-
その消耗は未来につながっているか
こうした問いを持つこと自体が、エッセンシャル思考です。
「忙しさから抜け出し、人生の主導権を取り戻す」という点で、この本は行動の指針になります。
4冊を通した共通メッセージ
4冊に共通しているのは、次の一点です。
「依存した瞬間、人は選べなくなる」
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一社依存
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一つの価値観依存
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他人の期待依存
だからこそ、
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市場価値を知る
-
副業に触れる
-
時間をかけて準備する
という“静かな行動”が、最も合理的で、最も自分を守る選択になる。


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